日本上陸のSonarPenをいただいたのでいろいろ書いちゃうぞ

クラウドファンディング

この記事は、SonarPen日本正規代理店の株式会社トライク様より、試供品を提供していただいて執筆しています。
特に「あれを言っちゃダメ」みたいなことは言われていないので、ストレートなレビューをお届けしようと思います。

突然ですが、SonarPenって知ってますか?
以前よりこのブログを見たことがある人なら、もしかしたら知っているかもしれません。

このブログでも紹介したことがあるのですが、めでたく正式に日本に上陸することが決まったようなので、改めて使ってみたレビューなどを書いてみようと思います。

先に言っておきます。いいところも悪いところも書きます。

SonarPenってなんだなんだ?

SonarPenというのは、海外のクラウドファンディングサイト「KickStarter」や「Indiegogo」に登場して見事実現した製品で、iPhone、iPad、Android端末向けの製品です。

「クラウドファンディングって何?」っていう人は、こちらに書いたので併せて見てみるとよいかもしれません。

どんな製品なのかというと、見た目はただのよくあるディスクタイプのスタイラス(タッチペン)…

かと思いきや、本体になにやらケーブルが巻き付いています。

このケーブルの先端にはイヤホンなどでよく使う3.5mm ミニプラグがついています。
ケーブルを本体からほどいて、スマートフォンやタブレットに接続して使用します。
本体にイヤホン端子がない場合は、変換アダプタを使用しましょう。


勘のいい方ならもうわかってしまったかもしれませんが、なんとこれは、
(SonarPenに対応している)お絵かきアプリなどで筆圧が使えるペンなのです。

「筆圧対応のペンなんてよくあるし…」なんて思うのはまだちょっと早いです。
このSonarPenには3つの特徴があります。それは…

  • 電池(充電)がいらない
  • 安い
  • Androidでも使える

です。

筆圧対応のペンとしてぱっと思いつくのは、Apple PencilやGalaxy NoteのSペン。
そのほかにも、Wacomの筆圧対応ペンなどがあります。

しかし、Apple PencilやGalaxy NoteのSペンは、もちろん対応している機種でないと使用することができません。
Wacomの筆圧対応ペンもありますが、こちらは残念ながらAndroidでは使用できません。

Apple Pencil対応の端末やGalaxy Noteシリーズを持っているとか、筆圧対応ペンとiOS端末を持っている場合はいいのですが、それ以外の環境に置かれた人は、これまで指をくわえて筆圧対応ペンを眺めていることしかできませんでした。
人によっては、ペンが使えるという理由だけで機種変更をするということもあるようです。


そこに新風を巻き起こしたのが、このSonarPenなのです。

先ほども書いたように、SonarPenはクラウドファンディングで一度実現している製品です。
もうすでに製品化され販売されているのですが、今回日本に上陸するにあたって、日本で発売するためのクラウドファンディングが行われることになったようです。
そのため、目標達成後に頓挫する可能性はないと考えていいでしょう。

そんな日本版SonarPenの販売ページ(クラウドファンディング:Makuake)はこちらです。

電池不要の筆圧対応、Androidでも使えるスタイラスペン「SonarPen」

今回は特別に、実際に日本で展開する予定のSonarPenをレビュー用に提供していただきました。
ありがとうございます。

開封

そんなこんなで、届いた試供品がこちら。

クリックポストでポストに投函されました。

試供品なのでポスト投函だったのか、製品版でもポスト投函なのかはちょっとわかりません。
不安なら確認してみるとよいでしょう。


袋から出してみました。

オシャレなパッケージ

しっかりとした化粧箱に入っています。

表側が開くようになっていて、開くとこんな感じです。

デジタルイラストの数々

さまざまなテイストのイラストが描かれています。
これ全部このペンで描けるよというメッセージでしょう。

裏側と側面はこのような感じです。

図や写真が多くてわかりやすいパッケージですね。カラーバリエーションも豊富なようです。

今回提供していただいたのは黄色でしたが、たくさんのカラーバリエーションがあるので、お好きなものを選ぶとよいでしょう。

パッケージを開けるとこんな感じです。

余計なものが入っていない、シンプルな構成ですね。

残念ながら、日本に上陸したとはいっても、パッケージなどは英語表記になっています。
とはいえ、あまり難しいことは書いてありませんし、図も豊富なので、あまり悩むようなことはないと思います。


それでは付属品などを見ていきましょう。

中に入っているのは

  • SonarPen本体
  • 貼り付け型ペンホルダー
  • Lightning端子ペンホルダー
  • 交換用のペン先

の4つです。

交換用ペン先は貼り付け型ペンホルダーの下に入っています。

みぃつけた

ここで、参考までに過去に私がIndiegogoで手に入れたSonarPenのパッケージや付属品と比較してみましょう。

Indiegogo版SonarPen付属品

右のポーチに描かれているイラストは、製品版のパッケージに描かれているものと同じものがいくつか見受けられますね。

付属品も基本的に製品版のものと一緒ですが、Indiegogo版には交換用ペン先が3個と、SonarPenのステッカーが付属していました。
また、パッケージを兼ねているポーチは簡易キャリングケースとしても利用できます。

付属品は大した差ではないのですが、持ち運びにポーチがあるとうれしいので、そういったものがなくなってしまった製品版はすこし残念です。


Androidに対応アプリが出た今でも、差し込み型ペンホルダーはLightning端子用です。
microUSB用やType-C用のアタッチメントみたいなものが付属していたらうれしかったのですが…。

Lightning端子にはめるペンホルダー

とはいえ、ペンホルダーとSonarPenはマグネットで簡易的にくっついているだけなので、そこそこ簡単に外れてしまいます

軽く振るくらいならとれないのですが、ちょっと衝撃が加わるとすぐ取れます

個人的に、ペンホルダーはそんなにお勧めできません。
というか、iPhone 7以降はイヤホン端子に接続するためにLightning端子を使用するので、このペンホルダーに役目はないような気がします。


以前の記事で、ペン先を保護するようなキャップがあったらいいなというようなことを書いた気がするのですが、残念ながら製品版になってもキャップはないままです。

SonarPenを持ってどこかへお出かけするのなら、ペン先を傷めないような工夫をすることをお勧めします。

MakuakeのSonarPenページには専用ペンホルダーがラインナップされているので、気になる方はチェックしてみてもいいかもしれません。
ちなみに、私は冒頭の写真にあるように、メガネケースに入れています。

使い方

アプリをインストールする

先ほど書いたように、SonarPenは対応しているアプリでのみ筆圧を使用することができます。
対応しているアプリの代表例として、アイビスペイントXを使用してみましょう。

どんなアプリに対応しているかは、公式ホームページに記載がありますので、そちらも見てみることをお勧めします。

インストールの手順としてAndroidの画面を載せていますが、iPhoneやiPadでもそう変わりません。
適宜、PlayStoreをAppStoreに読み替えるなどしてください。

まずは、PlayStore(またはAppStore)のアプリを開きます。
画面上部または下のバーに、検索ボックスまたは検索ボタンがあるので、それをタップし、「アイビスペイント」を検索します。

一番上の、アイコン付きのやつです

すると、おそらく検索結果の一番上にアイビスペイントXが出てくるのでそれをタップし、内容をよく読んでからインストールします。

アプリを起動して準備する

インストールが終わったら、さっそくアプリを起動してみましょう。
アプリを起動して、マイギャラリー(ペンのマーク)をタップして、左下の「+」をタップします。
ちなみに、描いた作品を編集する場合は、作品を選択してから右下の「編集」です。

マイギャラリーを開きます
新規作成は「+」、続きから描くなら「編集」

新規作成の場合、作成する画像サイズを聞かれるので、好きなものを選びましょう。


すると、お絵かき画面になります。
もしSonarPenを挿しているのなら、抜いておいてください。

ペンマークのボタンを押して、「設定」をタップします。

少し下までスクロールすると、筆圧ペンの設定があるので、ペン名の部分をタップして、リストから「SonarPen」を選びます。

ここでマイクの使用許可を訪ねる画面になったら、許可してください。(そうしないとSonarPenが使えません)

SonarPenを使う

SonarPenを選んだら、SonarPenをイヤホン端子に挿しましょう。

新しめのiPhoneや一部のAndroidのように、本体にイヤホン端子がない場合は、マイク対応の変換アダプタを使用します。
iPhoneなどは純正の変換アダプタを、Androidの場合はGoogleストアのUSB-C変換アダプタを使用すると安心です。
(前者は公式が、後者は私が動作を確認しています。もちろん、マイクに対応しているなら互換品でもかまいません。が、互換品だと筆圧があまり効かなくなる可能性があります。(理由は後述))

接続して少し待つと、画面がこのように変わります。

次に、「スタイラス設定」をタップし、キャリブレーション(補正)を行います。

なぜキャリブレーションを行うのかというと、SonarPenはイヤホン端子を使うという性質上、筆圧を伝えるのに端末の性能差が影響します。
その影響の中でもちゃんと筆圧を使えるようにするためです。

キャリブレーションと聞くとなんか難しい印象を抱いてしまいますが、そんなことはなくすごく簡単です。
「スタイラス設定」をタップしたなら、おそらくこのような画面になっていると思います。

画面に表示されているメッセージに従って、まずはとっても弱い筆圧で適当に線を引き、次に自分が描く中で最も強い筆圧で線を引きます。
「OK」を押すと確定されます。間違えた場合は「キャンセル」を押してやり直しましょう。

こうすることで、筆圧の最小値と最大値が決定されます。
もし描いてみて違和感を感じるようであれば、再度やり直すなり、筆圧の曲線をいじるなりして対応しましょう。


それでは、さっそく描いてみましょう。
適当なペンを選び、筆圧を変えながら線を引いてみます。

見てわかるレベルで、筆圧によって線の太さが変わっていることがわかると思います。

いい点、悪い点 (まとめ)

前に書いた記事やここまでに書いたものも含みますが、いい点と悪い点を改めてまとめてみます。
もし購入などを考えているのでしたら、参考にするとよいです。

いい点

  • ほかの筆圧対応ペンに比べて半額かそれ以上の安さ
  • 機種を選ばない (一部例外あり)
  • 電池も充電も必要ない
  • 軽い
  • 無駄に長くない (Apple Pencilってちょっと長すぎる気がしません?)
  • カラーバリエーションが多い
  • スタバでドヤるとめっちゃ見られる

悪い点

  • ケーブルを挿したり巻いたりと面倒くさい
  • 先端を保護するキャップのようなものがない
  • 音楽が聴けない (イヤホン端子を追加したりBluetoothを試したりしましたがダメでした)
  • アプリ側が対応していないと使えず、対応アプリもそこまで多くない
  • サイドボタンが使えない (Android 8.0だと押しても無反応。長押しするとGoogleアシスタントが立ち上がる。iOSは9.3.5では使えましたが、iOS 11.3では使えませんでした)
  • 先端がディスク型 (構造的に仕方ないことではあるのですが…)
  • スタバでドヤるとめっちゃ見られる

ありそうな質問とか

私は公式でもなんでもないですが、なんとなくありそうな質問(というか自分で疑問に思ったこと)をまとめてみました。

筆圧は何段階?

これ、私もIndiegogo版のときに調べてみたんですが、とくに段階といったものはないとの記述がありました。

というのも、SonarPenが筆圧を認識する仕組みはアナログで、そのアナログから取得した筆圧を音声信号に変えて端末がマイク回路を通して認識するため、筆圧はそれぞれの端末に内蔵されているマイク回路の能力に依存します。
(USBオーディオの場合はおそらくそのUSBオーディオの性能に依存します)

そのため、「筆圧は〇〇段階」と言えないようです。

ちなみに私が描いてみたところ、明らかに1024段階より少ない印象です。

ペン先はどうやって交換するの?

先端がディスク型のスタイラスは最近では100円ショップなどでも見かけるようになりましたが、それらは先端が交換できないようになっていることがほとんどです。

しかし、SonarPenはディスク型であるにもかかわらず、筆圧を認識することができるので、ペン先を交換することができます。

その方法は…ですが、単純にディスク部分を持って、垂直に引き抜けばいいです。

もしディスク部分だけ取れてしまうというようなことがあれば、ピンセットやトゲ抜きなどでつまんで引き抜きましょう。

交換後のペン先は、単純に先端から押し込んでしまえばいいです。簡単ですね。

延長ケーブルは使える?

100円ショップなどで3.5mm ミニプラグを延長するようなケーブルが売られていますが、残念ながら高確率で使用できません。

というのも、SonarPenはイヤホンのマイク端子を使用して筆圧情報を端末に送るのですが、100円ショップなどで売られている安価な延長ケーブルは、マイク信号を伝送するように作られていないため、端末側に筆圧情報を送ることができません。

オーディオショップなどでマイクの信号も送れるような延長ケーブルを入手できれば、使えると思います。

使える端末と使えるアプリは?

使える端末は、iPhone 4S以降のiPhone、すべてのiPad、バージョン4.4以降のAndroid (例外あり)です。

対応アプリについては公式ホームページにまとめられています。

普通のスタイラスとして使える?

使えます。イヤホン端子から送られるのは筆圧情報だけなので、非対応のアプリでも動くどころか、イヤホン端子を挿さなくても普通のスタイラスとして使用できます。

パームリジェクションの仕様は?

想像ですが、パームリジェクションの機能は筆圧とタッチパネルの信号を認識しているとき、ほかのタッチ入力を無視しているように思えます。

そのため、画面にペン先が触れる前に手が触れてしまうと、パームリジェクションはうまく働きません。

パームリジェクションというのは、ペンで描いているときなどの最中に、意図せず手がタッチパネルに触れてしまい、何かしらの反応をしてしまう挙動を抑える働きのことです

対応してるアプリ少なくない?

公式によると、いくつかのお絵かきアプリ製作者に連絡をとり、SonarPenのドライバ(動かす仕組み)の仕様を教えて、SonarPenに対応してもらうということをやっているみたいです。
いい返事をもらえなかったところもあるようですが、いい返事をもらえたところは、今後アプリのアップデートで対応する可能性があるそうです。

ちなみに、上のほうに登場するアイビスペイントXはそのうちの一つで、SonarPen製品化当時は対応していませんでしたが、しばらくたった後、アップデートで使えるようになりました。

あとがき

個人的には、普段からApple PencilやGalaxy Noteのようなものを使っているのではなければ、1本持っておいて損はない製品だと思います。
値段もそんなに高くないので、学生でもわりと気軽に買えるのではないでしょうか。

普段からApple PencilやGalaxy Noteといったものを使っているのなら、描き心地にちょっと違和感を感じるのであまりおすすめできません。
(というより、慣れが必要になると思います)

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