BLAZE EV SCOOTERっていう電気スクーターを買ったよ

EV

私は普通自動車を所有しているので、普段の買い物や移動はすべてそれで済ませていました。

しかしながら、新型コロナウイルスの影響で在宅ワークとなってしまい、もう少しで在宅ワークになってから1年が経過します。
昼食代は会社から電子マネーで補助が出る(ただし店による)ので、昼食に関しては自炊するよりも買いに行った方がお得です。


そうして生活していると、困ることがいくつかありました。

例えば、昼になってから近所のコンビニに車で行くと、駐車場が休憩している商用車やトラックで埋まっていて使えないとか、短距離の運転を繰り返すことでバッテリーの負担になるとか…。

少し前にガソリンスタンドへ車の空気圧を確認しに行ったところ、無料でバッテリーのチェックもやってくれたのですが、バッテリーが古かったこともあり、バッテリー自体の表示は緑(OK)なのに、チェック結果は10段階のうち1で、早急に交換が必要とのことでした。
もともと劣化していたバッテリーに、短距離でのエンジンオンオフが拍車をかけ、こうなってしまったようです。

そんなこんなでまだまだ終わらなさそうな在宅ワークの備えとして、近所だけを気軽に移動するための足として、電気スクーターの導入に踏み切ったというわけです。


これは何?

ブレイズという会社が輸入販売している電気スクーター「BLAZE EV SCOOTER」です。

公式ホームページはこちら。
https://portal.blaze-inc.co.jp/evscooter/

一般的な電気スクーター(セグウェイみたいなやつを含む)は道路交通法により「原動機付自転車」とされるため公道が走れませんが、このスクーターはバックミラーやウインカーをはじめ、前照灯やナンバー灯などの保安装置(って言うんですかね?)を装備しているため、必要な手続きをすれば第1種の原動機付自転車として認められるので、原付免許や普通自動車免許で乗ることができます。

あ、原付なのでもちろんヘルメット必須です。お忘れなく。

特徴・メリット

折りたためる

よくある「キックボード」みたいに、折りたたむことができます。

劇的に小さくなるというわけではありませんが、これだけ小さくなれば、自動車のトランクなどに積むことができます。

車で遠くへ行き、これで周辺を散策するなんて使い方もできますね。
そういえばホンダが昔そういうコンセプトの小型バイクを出していたような…。(モトコンポでググろう)

ちなみに地味に重いです。
公式ホームページの動画では軽々と持ち上げていますが、非力な人にはつらいです。

パワーモードが選べる

右上のスイッチを押すたびに切り替わります。写真は「MID」のとき。始動時は「ECO」になっています。

このスクーターは最高時速30km/hまで出すことができます。というか、原付は30km/h以上出してはいけません。
普通に道路を走行している分には申し分ない速度なのですが、住宅街の細い道などを走行する際は30km/hは危険です。

そういった場合に備えてか、モーターの回転を一定レベルまでに抑える3種類のモードが用意されています。

ECO

最高時速をおよそ10km/hに抑えるモードです。

10km/hって思った以上に遅いので、バッテリーを節約したいときとか、ランニングしている人と一緒に走るとか、そういうときにおすすめです。(ただし横に並んで走るのは違反です。前や後ろを走りましょう)

MID

最高時速をおよそ20km/hに抑えるモードです。

住宅街とか、曲がりくねった道とか、そういう場所を走るのにおすすめです。
普通の道でも、急いでいなければこのモードで走った方が電費がいいです。

HIGH

最高時速をおよそ30km/hに抑えるモードです。

すばやく移動したいときにおすすめですが、電費は悪いです。

立ち乗りができる

「キックボードなのに座るとこあるじゃん?」なんて思った人もいるでしょう。
でも大丈夫。座席を外すことはできません(できてもたぶんやっちゃいけない)けれど、立ち乗りはOKです。公式ホームページでも紹介されています。

ただ、立ち乗りをするとバランスが悪くなるので、パワーモードを「HIGH」にして立ち乗りするのはおすすめしません。「MID」でも道によってはちょっと危ないです。

しかも、立ち乗りをするときと座っているときではミラーの適切な位置が違うので、頻繁に立ったり座ったりを繰り返すのは現実的ではありません

簡易セキュリティ付き

写真のような、車のインテリキーみたいなセキュリティキーが2つ付いてきます。

主電源がオンでメインスイッチがオフのとき、このスイッチをポチッと押すと、本体から「PUIっ」って音が鳴り、セキュリティがオンになります。セキュリティがオンの時は、本体を揺らしたり転がしたりするとみゅいみゅい音がします
ちなみにこの状態の時は、メインスイッチをオンにしても始動できません

もう一度このセキュリティキーを押すと、「PUI PUIっ」って音がしてセキュリティがオフになります。

マニュアルにも書かれているんですが、あくまでもこれは簡易セキュリティなので、目を離す時間が長い場合は前輪を地球ロックするべきです(後輪にはチェーンを通す余裕がありません)。

自宅保管の場合は、屋内に置いておくことがベストです。
そもそも雨天非対応ですし…ね。

すごく静か

エンジンがないので、走行時はモーター音しかしません

すーっと加速していく感覚は、楽しくもあり、怖くもあり、独特です。
最初は怖いですが、慣れると楽しいという感じでしょうか。これは乗ってみないとわからないと思います。

注目を浴びる

2時間ほど買い物のためにこれに乗ってうろうろしましたが、小さい子に指をさされたり、駐車しておいたら「なにあれー?ナンバーついてる!おもしろーい!」なんて言われることが何回かありました

目立つのが嫌いな人には地獄ですが、悪いことを何もしていないのに注目を浴びることができるのは、一種の爽快感みたいなものがあります。

IP54の防水・防塵性能

IP54って言われてもピンとこないと思いますが、よくスマホの防水・防塵性能で「IPX4」とか「IP5X」って書かれていたりしますよね。あれです。

「IP5X」と「IPX4」を同時に書くと「IP54」という書き方になります
このIP54がどれほどの性能かということですが…

  • 防水性能 … 30~50cmの高さから毎分10リットルの水をあらゆる方向に放水し、それを10分間浴びても問題なく動作する
  • 防塵性能 … 動作や安全性能に問題が出るような粉塵が内部に侵入しない

という感じです。

つまり、直接水をかけるようなことをすると問題が起きる(ことがある)ということで、雨の日に運転すると壊れる可能性があります。

公式でも、雨の日は走らないよう案内しているのに加え、水濡れは保証対象外です。
雨が降りそうなときは乗らないように心がけましょう。

「OK, Google。今日の天気は?」

電気代が安い

充電は専用のACアダプタで行います。
出力が42.5V 3Aで、先端がXLRコネクタ(マイクの根元にあるやつ)みたいな形になっています。なにそれ初めて見た。

バッテリーは取り外せないので、コンセントを引っ張ってくるか、コンセントがある場所まで持って行く必要があります。あれ、これってデメリットでは…。

肝心の電気代ですが、およそ3.5時間で満充電になり、その際の電気代はおよそ13円になるそうです。
ガソリンの普通車に乗るより圧倒的に経済的ですね。

イマイチなところ・デメリット

方向指示器(ウインカー)が出ているのかどうかわかりづらい

一般的な第1種の原付は、ウインカーを出していると「カチカチ」音がして、第2種以上になると「カチカチ」音がしなくなる(そのかわりメーター部などにウインカーの表示灯(っていうのかな?)がある)ようですが、このスクーターは「カチカチ」音は鳴らず、さらにメーター部にウインカーの表示灯がなく、ウインカーそのものも目視では極めて視認しづらい位置にあるので、ウインカーを出しているかどうかは左手のスイッチを目視で確認するしかありません。
せめてスライドさせたら赤い部分が出てくるとかだったらいいのに、そういうのもありません。

そういう仕様のため、バイクでありがちな「ウインカーの消し忘れ」が発生しやすいです。
ウインカーを出したらずっと指を添えておくというような工夫で回避するしかないですが、グローブなどをつけていると勢い余って警音器(クラクション)を押してしまいそうになります。

メーカー(?)は改造するなと言っていますが、ブザーやLEDなどを後付けすると安心かもしれません。
(※改造を推奨するわけではありません)

ちょっとあやしい走行距離

公式ホームページでは、1回の充電でおよそ35km走行できるとされています。
ですが、どこにもその測定条件は書かれていません

ほぼ「HIGH」モードで走ってみたところ、15kmほど走行した段階でバッテリー残量表示は1/4となっていました。
35km走れるのであれば、半分以上残っていなければなりません。

つまり、「HIGH」モードでは35kmはおろか、20kmちょっとで電池切れかもしれません

まあ、ちょっと買い物に行くくらいなら、20km程度走れれば十分かもしれないので、ここらへんは考え方によるところですかね。

ちょっとあやしいバッテリー残量表示

画面右の縦向きの表示がバッテリー残量表示(4段階)

バッテリー残量表示ですが、初めて乗ったとき「HIGH」モードでちょっと加速しただけでいきなり1つ減りました
と思えば、スロットルから指を離すとまた4つに戻りました

まだ乗り始めたばかりだったからかもしれませんが、加速中などの負荷がかかっているときは正常に表示されないようです。

バッテリー残量は信号待ちのときや、一度路肩に停めて確認するようにしましょう。

手順通りに始動できない

もちろんですが、製品にはマニュアルが付いています。
そのマニュアルには、以下の手順で始動するように書かれています。

  1. 主電源をオンにする
  2. ブレーキをかけながらスタンドを収納し、サドルにまたがる
  3. ブレーキをかけながらメインスイッチ(右手にあるコントローラの真ん中ボタン)を押す
  4. コントローラが点灯し、走行可能状態になったことを確認する
  5. ゆっくりスロットルを回し、走行を開始する

一見するとよさそうに見えますよね。

しかし、これでは始動できません。なんという罠

マニュアルとは別にある、お買い上げの方へ的な紙には、上の手順で言うと1と2の間で、「セキュリティキーのボタンを1度押す」という項目が加わった始動手順が書かれています

マニュアルと始動手順が違うってどういうことなの…と思いながらこの手順で始動しようとしても、なんとこの手順でも始動できませんそれどころかもっとひどいことになります

上の方に、メリットとして「簡易セキュリティ付き」と書きました。
そこの内容を見ながら考えてもらうと分かるのですが、「主電源がオンでメインスイッチがオフのときにセキュリティキーのボタンを押す」ことになるので、この手順で始動しようとすると、本体を動かした衝撃でみゅいみゅい音が鳴り響きます。

なんという罠。

正確な始動手順は以下の通りです。マニュアル等に騙されてはいけません。

  1. 主電源をオンにする
  2. セキュリティキーのボタンを押す(PUI音がします)
  3. セキュリティキーのボタンをもう一度押す(PUI PUI音がします)
  4. ブレーキをかけながらスタンドを収納し、サドルにまたがる
  5. ブレーキをかけながらメインスイッチ(右手にあるコントローラの真ん中ボタン)を長押しする
  6. コントローラが点灯し、走行可能状態になったことを確認する
  7. ゆっくりスロットルを回し、走行を開始する

「長押し」も書かれてないんですよね。なんてこったい。

セキュリティキーの反応が悪い

ちょっと目を離すときや始動するときに使用するセキュリティキーですが、なんとこいつの反応が悪い
うまく反応してくれることもあるんですが、反応してくれないことの方が多いです。

ステップ部分よりも下にセキュリティキーを構え、ちょっと長めに押すと反応しやすい気がします
気がするだけかも…しれません。

こんなことなら物理キーにしてくれたほうがありがたかった…

荷物を入れておける場所がない

ほぼキックボードみたいな製品なので、前にも後ろにも横にも荷物入れはありません

公式ホームページのスクリーンショット (2021/02/12 取得)

ここで、勘のいい人なら気付きます。
自治体に登録した際の登録証や自賠責の証明書は携帯が必須のはず

そう、これらの証書を携帯していない場合は、捕まります。マジで。
そういう証書類を格納するスペースもないので、カバン類の携帯はほぼ必須と言えます。

公式ホームページで紹介されている写真では、カバンもなにも持たずにこのスクーターに乗っています。
きっとはちゃめちゃに折りたたんでポケットに入れているんだ、そうに違いない。そういうことにしておきましょう。そんなことをして破れても知らないですけどね。

歩行者や自転車にナメられる

前から見ると、LEDライトのついたキックボードにしか見えません
そのため、こちらを甘く見てよく速度を確認せずに道路から飛び出してくる歩行者や自転車が多いです。ときおり車も飛び出してきます。もちろん飛び出してきた側に非がありますが、事故が起きたらそうも言ってられません。

普通の原付に乗るよりも、事故に遭遇してしまう可能性が高いかもしれません
そういった事故を起こさないためにも、通常以上に周りに気をつけて運転するべきです。

任意保険やファミリーバイク特約には必ず入っておきましょう。

警音器(クラクション)の音がダサい

緑のボタンがそれ

一般的な原付がどうなのかは知りませんが、このスクーターの警音器は、小中学生がサッカーなどの試合で使う電子ホイッスルのような「ピーーーーーーッ!!」という音が鳴ります。

ダサい。ダサいというか、人によっては警音器の音だとわからないかもしれません。
もし変えられるなら変えたいところですね…。

役所の申請でちょっとゴタゴタする(かもしれない)

このスクーターには、ナンバー取得を販売会社が無料で代行してくれるサービスがついています。
日中忙しくて役所に行けない社会人にも安心のサービスですね。

でも、この代行サービスですが、長い場合は1ヶ月ほどかかることもあるようです。
しかも、一部の自治体ではご当地ナンバーが導入されていて、そのために申請書の形式が若干異なることがあるようです。

幸いにも、同梱されている書類に「自分でナンバーを取得する場合」みたいな項目があります。
はやくナンバーを取得したい場合や、ご当地ナンバーにするかどうかを自分でしっかり決めたいときは、それに従って自分で申請できます。私は両方の理由があったため、自分で申請しました。

販売証明書(同梱)とともに、自宅で印刷または役所でもらった申請書に記入して押印し、身分証明書とともに役所に提出すれば無事にナンバーをもらえます。
(代理人の場合は委任状も必要です)
(どこの窓口に出せばいいかは案内窓口に行けば教えてもらえます)

…が、私はここでちょっとしたトラブルになりました。

役所の人が言うには、役所内のシステムでこのメーカーを検索してもヒットしないとのこと。
何度か、「ヤマハとかホンダとか、”製造”メーカーの名前はないのか」と聞かれました。そんなこと言われても私は「ブレイズ」という社名しか知らないので、それを何度も伝えることになりました。

幸いにも、役所の人が車種名でググってくれたため、この車種の存在と性能が出てきて無事に登録することができました。結局、メーカーは「その他」という扱いになったみたいです。
こういうやりとりが今までに無かったということは、たぶん私が市内第一号なんでしょうね。ちょっとうれしい。

自治体にもよるとは思いますが、スムーズに登録できる場合と、もしかしたら登録できない場合もあるかもしれません。
必要書類に加えて仕様書(同梱)を添えるとか、ブレイズの電話番号を伝えるとかするといいかもしれません。

そういう面倒なことを避けたい場合は、公式の代行サービスに丸投げしてしまうのも一つの手かと思います。

さいごに

気になる点も多いスクーターではありますが、自分が気をつけていれば回避できる問題がほとんどなので、乗りこなすのはそう難しくないと思います。

ただ、公式ホームページのように軽装で乗るのはお勧めしません

公式ホームページには半袖のTシャツでグローブもつけていない人が出ていますが、事故などに備えて長袖で目立つ服、クッション付きのグローブは必須でしょう。
(マニュアルには「シールドとグローブ、目立つ保護性が高い服を必ず着用しろ」って感じのことが書いてあります。なんだおまえ)

私は…もうちょっと運転して慣れないとなぁという感じです。がんばる。


この記事は「続・BLAZE EV SCOOTERっていう電気スクーターを買ったよ」に続きます…

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