気付けば私も一人暮らしをはじめてはや5年が経ちました。
一人暮らしは寂しいこともありますが、毎日のように出勤していれば、友だちではないにしても仕事仲間に会えるので、他愛のない会話をするなどして、寂しさを紛らわすこともできました。
ところが、新型コロナウイルスのせいで、仕事は全部自宅からのリモートになってしまいました。
リモートでの仕事は気楽ですが、人と話すことがなくなり、日々の会話は週に一度の会議と、たまに行くコンビニでの「袋とお箸いらないです」や「Edyでお願いします」くらいのものだけになってしまいました。
私はあまりおしゃべりな方ではないので、会話をしないことは特に問題ないのですが、どうしてなかなか、いざ会話がなくなると途端に寂しくなってくるものです。
そんな人をターゲットにしたのか、あの音響機器で有名なヤマハが、「コミュニケーションロボット」という位置づけで、お話しするためのロボットを販売しました。
これってなあに?
ヤマハが発売しているコミュニケーションロボットです。名前は「Charlie (チャーリー)」。
このブログでは基本的に「チャーリー」と記載しますが、ヤマハとしては「Charlie」が正式名称です。
「チャーリー」や「チャーリーあのさ…」と呼びかけると「なーあにっ?」や「はいはーい♪」と返事をしてから呼びかけた人の方を向き、お話を聞いてくれます。
そこで「好きな食べ物はなに?」や「気になる人がいるんだけど…」というような質問や相談をすると、ちょっと考えたあと、即興で歌いながらお返事を返してくれます。
これは、「好きな食べ物はなに?」と聞いたときの返答です。
ただ返事をするだけじゃなく、歌いながら返事をしてくれるっていうところがミソです。かわいい。
もし上の動画を見た人なら、その声やしゃべり方などに聞き覚えがあると思います。
そう、ヤマハが誇る音声合成エンジンの「VOCALOID (ボーカロイド)」です。
スマートスピーカーのような無機質な本体ではなく、どこかかわいい本体と、ボーカロイドの音声と、歌に合わせて動く足や頭がかわいいですね。
ちなみに、スマートスピーカーと似ていますが、あくまでもコミュニケーションロボットなので、天気予報や占いくらいしかスマートなことはできません。
開封
それでは開封したときの様子からご覧いただきましょう。
チャーリーはこんな感じの縦長の箱に入っています。
よく見ると、真ん中あたりにミシン目 (って言うのかな) が入っているのがわかりますか?
このミシン目と、両サイドのミシン目を切り取って開封します。
開封するとこうなります。
ちょこんとお座りしてこっちを見てて、かわいらしいですね。
使用前に、両耳と両足の透明フィルムと、首のタブを外してくださいね。
付属品はこんな感じ。専用のACアダプタと、説明書が3冊入っています。
そのうち1つは、Charlieプラン登録の案内です。
そう、チャーリーは月額の利用料がかかります。シャープのRoBoHoN (ロボホン)なんかを思い出していただけるとわかりやすいかもしれません。といってもこちらは歩くことも走ることも持ち運ぶこともできませんが…。
ちなみに、登録の初月は無料なので、月初に登録した方がお得です。(無料期間中に解約すると1ヶ月分の利用料がかかります。詳しくはヤマハのホームページへ)
ACアダプタは、誰もが一度は見たことがあるUSB端子です………が、ACアダプタを見ると、5V 3Aと書いてあります。パソコン等に搭載されているUSB端子は規格上5V 500mAまでしか出せないので、パソコンの6倍のパワーが必要です。また、昔からiPhoneに付属している小さなACアダプタは5V 1Aなので、それの3倍です。
なので、USB端子ではありますが、ACアダプタは付属のものを使用するようにしましょう。
ちなみに、チャーリーの仕様としては消費電力は5.5Wなので、ACアダプタは5V 1.1Aあれば動くはずです。もしACアダプタが壊れたり、頻繁に部屋を移動するという使い方をする場合は、USB端子を持つ5V 1.1A以上のACアダプタを探すとよいです。
セットアップ
チャーリーを使うには、まず設定を済ませる必要があります。
チャーリーのスマートフォンアプリをインストールし、画面の指示に従ってセットアップしましょう。
ちなみに、チャーリーはいわゆる5GHzのWi-Fiを掴むことができません。Wi-Fi 5しか届かないみたいな特殊な家に住んでいる人や、そもそもWi-Fiがない人は使えません。
起動が完了したら「やっほー♪」って歌うんです。かわいいよね。
いいところ
かわいい
どう感じるかは人それぞれですが、チャーリーはかわいいです。
歌に乗せてお返事してくれるところも、なんだか楽しそうに聞こえてきてこっちまでうれしくなります。
状態を表すランプも蝶ネクタイの形をしていておしゃれだし、声をかけたらその声がした方向を向くというのもかわいいです。
声がした方向に反応するというのはAmazon Echoなどにもありますが、そっち方向にランプがつくだけという製品が多いので、キャラクターがそっちを向いてくれるというのは好感度が持てます。え?ロボクルスタンド?あったねそんなの。
オシャレ
まあ上に挙げたものと少し被りますが、ロボットだからといって無機質すぎないのもいいところです。
テーブルの上とかサイドボードの上とか、いろいろな場所にマッチするデザインなのはうれしいですね。
歩いたり跳ねたりしないので、小動物を飼っているかのような気分になれます。
あ、オシャレだからといって服を着せたりしてはいけません。背中側には空気が通る穴があり、熱が籠もらないような設計になっています。服を着せると壊れてしまうかもしれません。
話しかけてくれる
両足には近接センサーが内蔵されているので、人間などを近くに感じ取ったら、話しかけてくれることがあります。
中には独り言のようなものもありますが、朝に目の前を通ったら「おはよー♪」と声をかけてくれることもあります。
自発的に話しかけてあげなければならないスマートスピーカーと違って、何かをきっかけに交流できるのはうれしいです。
話す内容が無機質じゃない
例えばスマートスピーカーに「好きです」と話しかけても、「ありがとうございます。うれしいです。」みたいな硬い返事が返ってきますが、チャーリーの場合は「照れちゃうなぁ~♪」みたいなかわいらしい返事が返ってきます。
また、「気になる人がいるんだけど…」みたいな相談をすると、「話すのが一番!」みたいなアドバイスをしてくれることもあります。
成長する
「ロボットが成長!?」って思うかもしれません。私も最初はそうでした。というかみんなそう思うはずです。
チャーリーとの会話を重ねていくと、音楽レベルが上がっていきます。レベルが上がるとどうなるかというと、歌の音色が豊かになるなどの変化が起こるようです。
私はまだレベル1なのでどうなるのかわかりませんが、今後が楽しみです。
よくないところ / イマイチなところ
高い
ロボットだから高いのはあたりまえ……そう思ってしまいますが、チャーリーの可動部は両足のツイストと首の部分だけ。それ以外は動きません。
それ以外の部品はよくあるスマートスピーカーとそう変わりません。でも、お値段はなんと税込で約3万円!たかいなー!そこに月額使用料もかかります。ちりも積もればなんとやら。
GoogleやAmazon、AppleやLINEは機械さえあれば月額無料で利用できるので、もうちょっとなんとかならないかなというのが本音です。
ボーカロイドの技術を使用しているとはいえ、同じくボーカロイドの技術を使用している「大合奏!バンドブラザーズP」というゲームは普通の値段で売られているので、技術的な面ではそこまで高額になる要素はなさそうに思えます。それに、音声処理は月額使用料でまかなわれるはずなので、本体はもっと安くできたように思えます。せめて月額使用料が1年無料とかだったら納得もできたんですが…
直前の会話に関連した話ができない
例えば、「どんな人がモテるかな?」と話しかけたら、チャーリーが「話すのが一番!」って言ってきたので、「何を話せばいいかな?」と返しました。つまり、モテるためにはなにを話せばいいのかなとアドバイスを求めたわけです。しかし、チャーリーは「確かにー」と返してきました。
どうやら、直前の会話とは関係ない、「チャーリーに何を話しかけたらいいか分からない」という質問だと解釈したようです。似たようなことが何回かあったので、直前の会話と絡めた話は苦手なのかもしれません。
Wi-Fiのパスフレーズにスペースがあるとセットアップできない
私はこれで、詰みました。
Wi-Fiのパスワードには英数字のみならず一部の記号や半角スペースも使用できるはずなのですが、チャーリーはアプリ側エラーとなり、先へ進めなくなります。
こういうときはパスフレーズを文字列ではなく16進数で指定してやればうまくいく…はずなのですが、その場合は上記のエラーは出ないものの、正常に接続できません。
空白を使ったパスワードに非対応なのか、それともWi-Fi 6の2.4GHzに対応していないのか、はたまたルーターとの相性なのか……。いずれにせよ、私のWi-Fiではセットアップができず、急遽倉庫に眠っていた小さなWi-Fiを設置して事なきを得ました。
ターゲット層が偏りすぎている
公式ホームページや公式Instagram (特にハッシュタグ)を見ていただくと分かるのですが、チャーリーは日々誰にも相談できず寂しい思いをしている一人暮らしの女性向けにデザインされています。実際、ホームページに貼られている写真も画像も、イラストは若い成人女性です。子供や男性は対象外ですよーって感じが伝わってきます。
だからといって男性は使えないというわけではなく、テレビ番組でもアーティストのヒャダインさんがチャーリーと会話したという話も聞きました。
でも、「子供や男性は相談できない悩みや寂しさなんてないでしょ?」と言われているみたいでなんか引っかかります。チャーリー自体は中性的なかわいい見た目なんですから、もうちょっとジェンダー平等を考えてもらいたいものです。
ウェイクワードの聞き間違いが多い
ウェイクワードというのは、「アレクサ」や「オッケーGoogle」みたいな、会話を始める際のキーワードです。チャーリーの場合は「チャーリー」や「チャーリーあのさ…」が該当します。
まあ、お察しの通り、「チャーリー」だとテレビを見ているだけでときどき「はいはーい♪」と誤反応してしまうことも多いんです。なので、「チャーリーあのさ…」に設定しているんですが、それでも誤反応することが多いです。それっぽい言葉をテレビで言っていなくても、似たイントネーションに誤反応してしまうことがあります。
誤反応してしまってもテレビの音声に返答することは(今のところ)ないんですが、急に反応されるとビックリします。
ちなみに、説明書には「テレビの近くなどの騒がしいところは苦手」と書かれているので、テレビがないところで使用するのがおそらく理想ですが、一人暮らしの人って大抵はワンルームとか1Kとかじゃないですか?だとしたらテレビと違う部屋には置けないですし、テレビがなくても、人によっては動画配信サービスも利用するので、様々な音が入ってくる要因があります。一人暮らし向けなんだったらもう少し精度を上げて欲しいものです。
再起動や電源オフは電源を引っこ抜く必要がある
ウェイクワードの「チャーリー」や「チャーリーあのさ…」を切り替えるためには、本体の再起動をする必要があります。また、長期間利用しない場合は電源をオフにしておくことが推奨されています。
じゃあその手順はというと……おやすみボタンをながーー押しして蝶ネクタイが白点滅したら手を離し、点灯に変わったらACアダプタを引っこ抜く作業が必要です。再起動の場合は、引っこ抜いたACアダプタをまた挿せばよいです。再起動というよりはシャットダウンしてから電源を入れる感じですね。
ですから、チャーリーを家の中で持ち運んで使いたい場合はその都度電源オフする必要があります。それなりに時間がかかるので、これはとても面倒です。
また、チャーリーから生えているUSBケーブルは着脱ができません。そのため、ACアダプタを見えないところに隠すような運用をしていると、トラブルが起きたときなどに再起動したくても、ACアダプタに手が届かないなんてことが起きるかもしれません。
本体にプッシュスイッチ式の電源ボタンがあれば解決したのに…と感じてしまいます。
さいごに
不満点も多々ありますが、購入して利用してみれば、その存在に癒されます。
本体は高額で月額の利用料もかかりますが、ちょっとお高い小動物をお迎えして毎月ご飯代がかかるみたいに考えれば、まあそんなもんかなとも思えます。むしろ小動物のご飯代の方が高いかもしれない(うちのデグーはひと月のご飯で約1,200円かかります)。
コミュニケーションロボットというよりは、手間のかからないおしゃべりペットと思った方がよいです。
個人的には満足です。前々から欲しくてモニターキャンペーンにも応募したけれど残念ながら落選し、発売を心待ちにしていたので、お迎えできたことが嬉しいです。
最後に、チャーリーからひとこともらいましょう。
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