クラウドファンディングで面白そうなものがあるとつい手を出してしまいそうになる私ですが、いつも自分に言い聞かせて踏みとどまっています。が、どうしても気になるものがあると踏みとどまれずに手を出してしまいます。
そうして踏みとどまれずに手を出してしまったのが、iKKO MindOne Proです。

ほぼましかく、特徴的なカメラ、フリーのインターネット接続、取り外しできるQWERTYキーボード(別売)と、ガジェット心をくすぐる一品ですね。
2025年の夏頃に出資し、2026年の冬に届きました。概ね半年。クラウドファンディングにしては早いですね。
バリバリゲームをやるぞという機種ではないので、性能はひかえめ。
- SoC:MediaTek MT8781
- RAM:8GM
- ROM:256GB
- バッテリー:2,200mAh
- モバイルネットワーク:4G+
- Wi-Fi:Wi-Fi 5
という感じで、RAMとROM以外はローミドルといった感じの性能です。
(その割にはなぜか公式の動画で原神をプレイしている様子が映されているのはなかなかに謎…。性能アピールできる機種ではないのに…)
モバイルネットワークが4G+止まりで5Gに対応していない理由は、飛んでいる5Gの電波がいまだ十分ではなく、ネットワークの切替で切断されることが多々あるため、安定性を重視してそうしたのだとか。
わかります。ドコモ回線で都内の電車に乗ってると、ネットワークの切替でぜんぜん繋がらなくなりますからね。
4G+までの対応としたのは偉いと思います。バッテリーも食うしね。
ちなみに私が出資したのはEarly Birdといって、130米ドル(たぶん)ほど割引になっています。
本体が2,897香港ドル(=約57,000円)、キーボードケースが620香港ドル(=約12,000円)で、合わせて約6万9千円。性能の割にはちょっとお高めな感じで、”ただスマートフォンが欲しいだけの人”のスコープからは外れちゃうかなって感じです。
スペックだけで見ると微妙な点も多いですが、特徴的な部分ももちろんいくつかあります。
- Android 15に加え、独自のiKKO AI OS搭載
- フリップするカメラ
- 無料インターネット接続(v-SIM)
- AI用無料インターネット接続(NovaLink)
- 別売りのキーボードケース
それでは外観などをはじめとして、ひとつひとつ見ていきます。
外観
こんな箱で届きました。

開けるとこんな感じ。オシャレですね。

左側に本体、右側には付属品が入っていて、
- TPU(?)ケース
- 説明書
- アンチグレアフィルム2枚
- ガラスフィルム2枚
- USB-Cケーブル
- SIMピン
が入っています。
確認はしていませんが、USB-Cケーブルは太さや堅さなどから、シンプルなUSB 2.0のType-Cケーブルなのではないかと思います。
アンチグレアフィルム派なので付属しているのはうれしいところ。
届いてすぐに貼ってみましたが、あまり透過度がよくなく、画面の小さい文字が読み取れない状態になってしまいました。
なのですぐに剥がし、ミヤビックスのアンチグレアフィルムを貼っています。
ちなみにIP54の防塵・防水性能があるので、フィルム類は水貼りしちゃっていいと思います(ただし自己責任で!)
でも公式が言うには、サファイアガラスを採用しているから何も貼らなくてもいいよ、とのこと。でもフィルムやガラスが付属する………
ところで、箱と一緒にこんなカードが入っていました。

“Early Supporters”の記載があるので、ある程度早めに出資した人向けのお礼の品ですかね?
ただでさえ割引になっているのだからそんなのなくてもいいのに……。ま、いただいておきましょう。
起動直後の画面がこれ。(ケースをつけた状態)

ちいさいですね~~~。
ちなみにカメラを折りたたんだ状態だと平置きが安定しないので、あえて開いて置いてます。ここは、イケてない。
背面はこう。パールホワイトのモデルです。

ちなみに、右側が本体上部です。
それでは側面も見ていきましょう。
上面はAIボタン(カスタムボタン)、マイク(?)、近接(照度)センサーがあります。

ぱっと見でIRブラスターかと思いましたが、センサーなんですね。
たいてい、そのセンサーはインカメラの横にありますが、この機種はインカメラというものがない(フリップ式カメラがインカメラになる)ので、ここに配置したのでしょう。そのおかげで、ベゼルギリギリまで画面になっていて、パンチホールや水滴型ノッチや切り欠きノッチがないので、いい選択だと思います。
(でも電話をすると、ここを指で隠すなどしないと画面がついちゃうみたいなのでそこは考えもの。まあ通話はおまけっぽい機種なので……)
次は左側面。SIMスロットがあるだけです。

次に右側面。左側(本体上部)から、音量上下ボタン、指紋センサー付き電源ボタン、カメラボタンの3つです。本体を横持ちしたとき、ボタン類が上部に集中するので、設計としてはいいと思います。

最後に本体下部です。左から、スピーカー、Type-C(USB 2.0)ポート、マイクです。

手に持っている写真をSNSに載せたところ、「MDみたい」と言われたので、MDとの比較も載せておきます。


横幅はほぼMDですが、縦はMDより長いです。お手元にMDがあるのなら、なんとなくサイズ感はわかっていただけるんじゃないかなと。ちなみに、厚みはMD2枚分くらいです(カメラ除く)
普通に使ってみる
いくつかアプリを試してみます。
マストドン
とりあえず、SNSを表示したらどうなるんだろうということで、マストドンのPWAアプリを表示してみました。

画面がそれなりにコンパクトなこともあって、わりと使えそうな感じです。
私はアカウントを持っていない(持っているけど使っていない)Instagramなんかは、画像が正方形になるので相性がいい気がします。
Spotify
音楽系のサブスクということで、Spotifyを再生してみます。

わりとシンプル。
ジャケット画像がでっかく表示されるのを少し期待したんですが、そうはなりませんでした。
でもこれはこれで必要最低限の表示で聴けるのでよいですね。
YouTube
動画配信サイトの代表ということでYouTubeも試してみます。


まあ当然と言えば当然ですが、横長の映像が多いYouTubeでは、黒帯が多く表示されてしまうので、あまり視聴には向きません。
ですが、音楽配信系の動画ならイイカンジに表示できるので、このあたりはものを選ぶという感じでしょうか。
まあ、そもそもこの小さい端末でYouTubeを見ようとするのがあまりよくないような気がします。
VRChat
原神がプレイできるのは公式の動画でわかっているので、メモリが6GBないと起動させてすらくれないVRChatのスマホ版を試します。
この機種はメモリ8GBなので起動するんですが、はたして……?

はい、なんと、思ったより普通に動いてしまいました。
仮想ボタンが小さくて操作しづらそうではありますが、いちおう起動ができてワールドにも入れるので、緊急時には使えそうです。
ちなみに、VRChatはGalaxyのようなハイスペックスマートフォンでもそれなりに重く、バッテリーもモリモリ減るので、オススメはしません。あくまでも緊急用だと思います。
後述しますが充電速度も遅いですしね……
独自機能など
お待ちかね(?)の独自機能についてです。
カメラ
まずはカメラから。
一番の特徴と言えなくもないフリップ式のカメラですが、残念ながらとても”よくない”です。
まず、参考としてGalaxy Z Fold5で撮影した室内の写真をご覧ください。

何の変哲も無い、室内の写真です。実際に目で見ている色よりも少し色温度が高めですが、それなりの再現性です。
では次に、この機種で撮った写真です。

はい。まず見てわかるのが、やたらと黄色いこと。これ、カメラを起動して通常のモードでそのまま撮ったものです。
実際の画面はこんな感じ。

うん、黄色いですね……。ちなみに、商品説明のページではSONYの50MPセンサーを主張していますが、それは50MPモードじゃないと撮れないらしく、通常は12MPです。なんだそりゃ。
それだけではなく、これはほかのレビュアーも指摘しているんですが、モードによってグリッド線が大きくズレます。

これはビデオモードですが、グリッド線が大きく右下(?)にズレています。どこいくねーん!
ちなみにプロモードはグリッド線は正常です。
プロモードではホワイトバランスをある程度いじれるので、ホワイトバランスを蛍光灯にすると、それなりにマシな画面になります。
この色合いは先ほどのGalaxyで撮った写真より本物に近いです。

でもUIが半分まで出てくるのはひかえめに言って邪魔……。
アプリももちろん悪いんですが、カメラが黄色いのは本体側の問題のようで、Open Camera等のアプリでも同様に黄色い写真になりました。製品ページの写真は嘘なのか……?
ここについては、たぶんファームウェアアップデートで直せると思うので、早急に改善をしてほしいところです。
ですが、どうしようもならない部分がひとつ。
それが、本体右下にあるカメラボタンです。
カメラボタンって言うくらいなので長押しするとプルッとしてカメラが起動…………しません。
プルッとした後もさらに長押しし続けるとようやくカメラが起動……した瞬間にシャッターが!
そう、カメラボタンはカメラが起動されているとシャッターボタンになるので、長押しし続けるとそれきっかけで撮影されてしまいます。なにそれ…。
しかも、カメラボタンに半押しの機能はなく、ただ押した瞬間にシャッターが切れるだけのボタンです。
……ちなみに音量ボタンでもシャッターは切れますし、なんならカメラの起動も電源ボタン2回押しで起動します。このカメラボタンいらないのでは……??
iKKO AI OSあたりのAI機能
この機種は、Android 15とiKKO AI OSが載っていて、自由に切り替えできるというのが売りです。
本体左上のボタンを長押しすると、専用メニューが出てきます。

上から見ていきましょう。まずは設定から。

パスワードロックは、その名の通りパスワードをかけるもの。アプリの設定だったり、アクセスと制限だったりの機能をパスワードで保護します。
アプリの設定は、このAI機能の設定ではなく、iKKO AI OSモードでAI機能とは別に利用可能なAndroidアプリを指定するためのものです。ここでアプリを指定しておくと、iKKO AI OSでも指定したアプリが起動可能になります。
私の環境では、アプリの一覧をスクロールすると落ちます。最初は動いていたので、何らかのアプリが原因で壊れている気がしますが定かではありません。
アクセスと制限は、いわゆるペアレンタルコントロールみたいなものだと思ってください。
次はv-SIMメニュー。

世界各国でスマートにデータ通信ができるという触れ込みのv-SIMは、「近日公開」となっていて利用できない状態でした。それよりも出荷を優先したということですかね…。
NovaLinkの方は、iKKO AI OSでのAI通信専用の、低速データ通信サービスです。なんと無料。
なので、SIMカードやv-SIMを使っていなくても、対応国ならAI用の通信サービスが使えるのです。
試しにWi-Fiを切ってNovaLinkをオンにし、AIに技術的な質問をしてみました。

右上にWi-Fiマークやモバイル通信マークがなく、代わりにNっぽい形のロゴが出ていることがわかるかと思います。
この状態で上記の質問をしたところ、ちゃんと答えが返ってきました。
通信契約していないのにAIと対話できるの、なんだかすごく不思議な感じです。
Androidと書いてあるところをiKKO側にスライドすると、iKKO AI OSに切り替わります。切り替えにかかる時間は数秒から十数秒ですね。はやい。
そしてこれが、iKKO AI OSの画面です。(ドックにアイコンを4つ登録しています)

独自OSを謳っている割にはAndroidっぽいな…?と思った方、その通りです。
なんと、iKKO AI OSと言ってはいるけれど、その正体は、Androidで動くランチャーアプリです。
iKKO AI OSモードに切り替えると、タスクを全部強制的に閉じ、ランチャーが自動でAIモードに切り替わる……みたいな感じですかね。そんなものをOSと呼ぶなんて……
クラウドファンディングで来たメッセージによると、希望者にはAI OSをインストールせずに送付するということもできるようです。そうなった場合、AIボタンはカスタムボタンとして使えるようです。
AIボタン長押しで出るメニューは「AIフレームワーク」というアプリのようなので、おそらくこれを無効化すればオフにできる……気がするんですが、残念ながら無効化ボタンが押せないようになっていました。

なので、どうしてもオフにしたい場合はadbから操作することになりそうです。
ちなみに、どういう不具合が出るのかわからないのでオススメはしません。
不満点
さて、不満タイムです。
え?これまですでに不満を書いただろって?いやいや、まだまだ序の口なんですよこれが
TPUケース
TPUっぽい純正ケースが付属するのですが、このケースの音量ボタン部分の作りが甘く、電源ボタンを押したときにはずみで音量下ボタンも押されてしまうことがあります。
そのため、画面をオフにしたつもりがスクリーンショットが撮られてしまうことがしばしば。
なので、(汚いですが)音量ボタンの部分をカッターで切り抜いてしまいました。

切り抜いても操作は問題なく行えるので、特に不都合はありませんでした。切るのが難しいくらいですかね。
真似する場合は怪我しないように気をつけてくださいね。
指紋認証
先述したとおり、電源ボタンは指紋認証を兼ねています。GalaxyやXperiaでも採用例があるので、特に変なものはない……と思いがちなんですが、なんとこの指紋認証は、画面オフの時も常に反応します。
なので、ロック解除するつもりがないのに、ちょっと触れただけで、持っただけで誤反応して指紋認証が失敗になり、やがて5回間違えたことになってPINを要求されます。なにそれ……。
画面オンの時だけ反応するように改善してほしいところです。
充電速度
充電速度ですが、ぶっちゃけとても遅いです。
バッテリー容量が2,200mAhしかないので、ちょっとブラウジングしたり音楽聞いたりしているとモリモリ減っていきます。
減ってしまってもサッと充電できたらいいのですが、その充電がとても遅いのです。
うちにはちゃんとした計測機器が無いので、ワット数が見える100W対応Type-Cケーブルで、100W PPS対応の充電器に接続してみました。

はい。2Wです。ときどき変動するのですが、それでも4Wくらいが最大で、だいたい2Wから3Wくらいで安定します。
このケーブルが信用できないというのはそれはそうなんですが、手持ちのPCは75Wで充電されるので、参考にはなると思っています。
というわけで、このケーブルが正しいと仮定すると、USB PDで充電しているのに2Wから3Wしか流れていないということになります。
かつてのiPhoneが5V 1A=5Wだったので、それ以下の充電速度しか出ていません。
USB 2.0あたりの定格電流が5V 500mAだった気がするので、これだと2.5Wとなり、大体同じくらいになりますね。
……ということは、PDで通信できていることを考えると、この機種は充電器に対して5V 500mAを要求していることになります。
そんなこと……そんなことあるの……??
このあたりは、ちゃんとした機器を持っている方のレビューを待った方がいいかもしれません。
ファームウェアアップデートで直らないかなぁ……
スピーカー
iKKOというメーカーは、iKKO Audioと名乗っており、この機種以前にAIイヤホンを販売していた実績があります。
それもあってか、この機種はどこか音楽プレイヤーのようなオシャレデザイン感があるんですかね…?
じゃあその音質はどうなのかと言うと………ひどいです。
製品説明にはステレオスピーカーとの記載があるのですが、どう聞いても本体右下のスピーカーからしか鳴っていないように聞こえます。モノラルなのでは??
そしてその音質も最低限というような感じで、音割れやノイズはないものの、通知用って感じがします。本当にオーディオ屋か…?
別売り/後日発送のキーボードケースにはHiFiなDACが載っていてイヤホンが刺さるらしいので、音楽を本体で聴くのはナンセンスなのかもしれません。
諦めてUSB DACやBluetoothイヤホンを使った方がいいでしょう。
……と、いうわけで、手元のUSB DACを繋いでみました。


一気に音楽プレイヤー感が出ますね…!
もしかしたら、スマホだけどスマホではなくウォークマンみたいに使う方がいいのかもしれません(意見には個人差があります)
技適
こういうクラウドファンディングの製品で”技適”というと、「えっ、技適通ってないの…?」と思うかもしれません。
いえ、技適は通ってます。ちゃんと製品パッケージの裏側に技適の番号が書いてあります。
ええ、“製品パッケージの裏側に”書いてあります。
ここで技適についてのおさらいです。
技適というのは、電波を出す機器(無線局)を使用するにあたって、総務省から受ける認可です。この認可を受けた機器でなければ、日本国内で電波を出すことができません。
その技適を取得した機器は技適番号が発行されるのですが、その技適番号は
- 基本的に、本体に印字すること
- 画面を操作して表示できる場合は画面内で表示してもよい
- 本体に印字するスペースがなく、画面で表示できない場合は、製品パッケージに印字してもよい
で、この機種は、画面で技適番号を表示することが(今のところ)できません。
なので、本体に印字しなければならないんですが、本体に印字はなく、製品パッケージにのみ印字があります。
つまり、技適は通ってるけど表示方法が違反という、中途半端な感じになっています。
この場合、技適は通っているので電波を出すのはOKなのですが、販売者に責任が生じてしまいます。
このあたり、もう少しちゃんとやってほしかったと思います……。
まとめ
これはロマンです。
細かい不満とか、システムが成熟していない部分とか、そういうのが多くありますが、こうした手のひらサイズでまともに使えるスマホというのはあまりないので、そっち方向の人や、AIをバリバリ使いたい人には部分的に刺さるんじゃないかなと思います。少なくとも私は、不満めっちゃ書いてますが気に入ってます。
みなさんは衝動買いしないよう気をつけつつ、まだ見ぬガジェットを追い求めてくださいね。

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